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教育基本法について、そもそも(3) [教育基本法]

さて、教育基本法を読むこの企画(というか私の作った小冊子の紹介ですが)、毎回少ししか書けませんので遅々として進みません。いつまでかかるのやら・・・という感じですが、気長に続けていきます。気が向いたらお付き合いください。

では今回は、いよいよ前文が終わって第一条(政府案では第一章となっています)から始めます。マスコミもさすがに取り上げた愛国心についての下りも第二条に出てきます。第二条はもともとは国(権力)が守るべきことがらだったのが、いつの間にか国民が身につけるべき徳目の羅列となって、基本法としての法の性格が逆転してます。「国民が国を規定する」→「国が国民に要求する」という逆転は、近代法とは言い難い前時代的なものだと思っています。

〜〜〜
47年法

第一条(教育の目的)
教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない。

第二条(教育の方針
教育の目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。この目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によって、文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。

〜〜〜
現教育基本法

第一章 教育の目的及び理念
第一条(教育の目的)<「真理と正義」「個人の価値」「自主的精神などを削除。「必要な資質」追加>
教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

第二条(教育の目標)<方針→目標に変更。「国を愛する」態度などの細かな項目新設>
教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
1 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
2 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んじる態度を養うこと。
3 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
4 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
5 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。

〜〜〜
こうして書いていても、第一条と第二条は頭がおかしくなりそうです。上にも書きましたが、47年法が教育とはこうあるべきという大枠を示していて、誰が守るか明示しておらず、突き詰めれば国が国民に約束したという性質が強いのに対して、現法は国が国民は「こうあるべきだ」「こうしなさい」と、「あるべき姿」を国民に「押しつけ」ているようです。

これでもかというように羅列されたマジックワードについては後にもいくつか触れていますが、ここでは一点だけ述べておきます。「心」を規定するのではなく「態度」だからましかというとそんなことは全然なくて、君が代不起立の裁判などで、「内心は自由であるが、態度は違反している」「規律に従った態度を求めることは内心を拘束するものではない」などというように、強制を正当化する「へりくつ」として利用されています。

つまり、「心では違うと思っていても、求められる態度を示しなさい」という面従腹背を裁判所自らが勧めているかたちとなっています。そんな人間を量産して、個人も社会も幸せになれるわけがないと思います。周りを見回してはずれないように、非難されないようにと、自分を押し込んで外に合わせる人間ができるだけではないでしょうか。私は自分はそういう生き方をしたくありませんし、子どもをそういう環境におくことは絶対にできません。

蛇足ですが、今回降って湧いたオリンピックでの服装問題の根っこにも、こういう集団規律重視の考え方があるように感じます。教育基本法が先か、こういう法律を生み出してしまった時代の空気が先か、それはわかりませんが、とにかく右へならえ、お上に言われた通り・・・という悪しき集団主義が蔓延することを懸念します。

抑圧されて育った人間は、自分より弱い人間を抑圧する側に回ってしまうことが多いと思います。乱暴な言い方をすれば(各項目をみれば悪いことばかりではないと思いますが)、いますぐにでも現法の第二条はすべて廃止して47年法に戻してほしいものです。

さらに第一条の「必要な資質」も個人のための教育が充実して社会へ還元するという考え方から、(いまの)社会に役立つ人間をとにかく作るという意図のようで、賛成できません。

書いているとさらにヒートアップしてきますので、このあたりにします(前にも書いたように、冊子後半の感想でこのあたりはもう一度触れます)。

<追記>本当の知性とは、既存の常識や規範をすべていったん白紙にして、自分自身の頭や身体、経験に基づき、さらに周囲の人や先人たちの知恵を加えながら、各人が構築していくものだと思います。決して現法第二条のように、何か決まったお手本のような規範があって、それを身につけるという性質ではないはずです。「本当の知性とは・・・」の文は私自身が10代から生きる方針として目指していることです(まだ道半ばですが)。それを放擲して言われるがままに既成や権威者の決めた規範や道徳に従うことは、私にとって自分の人生を放棄しろと命令されているに等しいです。


2010-02-16 23:50  nice!(1)  コメント(15)  トラックバック(0) 

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コメント 15

hm

 第2条 教育の目標が、「…の態度を養うこと」というのが全くもって気持ち悪いですね。
 教養を身につけというのが一項のはじめだけで、第2項から5項まで、「態度」「態度」「態度」…。

 <追記>も深く共感します。
 教育基本法「改悪」なり、あのころの「教育再生会議」は、そういう本質的なことをめいめい勝手に考えることを奨励するよりも、「あるべき態度」に従わせるという傾向でした。発想も偏っていたり、個人の思い込みだらけで、全く科学的でなかったですしね。
 要するに、頭を使わない「良い子ちゃん」になれということで、人の知の力を馬鹿にしているとしか思えませんでした。
 
 あのとき、

俺たち、これだけ馬鹿にされて黙ってられるかよ!

という声が、まさに、反対運動の声だったと思います。(もっと大きく広げたかったけど。)
by hm (2010-02-18 10:32) 

ayu15

お上根性でしょうか?
良い悪い別にして、あきらかな上から目線です。


上で国が管理して責任もつという「大きい政府」宣言ですねえ・・・。

じゃあ国民の幸せ・雇用・生活・その他すべで国に責任もってもらいましょう。
「上」なんですもの。
(笑い)
by ayu15 (2010-02-18 12:26) 

mai

>hmさん
いつも本当にありがとうございます。やはり「態度」の羅列は困りますよねえ。そういえば、公立校の通知票(っていま言うのでしょうか)にも「意欲・関心・態度」という項目が存在すると聞いたことがあります。教育基本法の「態度」と似たものでしょうか。それとも現場の賢明さによって良い運用がされているのでしょうか。いつか教えてください。

ホント、「これだけバカにされて、じっとしていられんわ!」という気持ちでした。私も蟷螂の斧ながら、もっと広げたかったのですが・・・。いまはこの問題が風化しないようにボチボチやっていきたいです。

民主党は4年は変える気がないようで(その後も??)、その点は残念です。折にふれてメールしてみようかと持っています
by mai (2010-02-18 22:44) 

mai

>ayu15さん
ありがとうございます。あの政権は思想は大きな政府、経済は小さな政府指向で、最悪だったと思います。おっしゃる通り、どうせなら首尾一貫して経済面も責任持ってもらいたかったですね。

民主党政権はどうでしょうか。私のなかではまだ未知数です。
by mai (2010-02-18 22:47) 

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