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「世界の学校」を読み始めました [外国の素敵な教育]

文部科学省のメンバーについてまだ書きかけなのですが、ここでちょっとひとやすみします。子どもがきのくにに入学して一安心したため、いろいろな教育について調べることも中断していたのですが、タイトルにひかれて「世界の学校」という本を読み始めました。

比較教育文化学という研究分野の学者さんたちが書いた本で、学術書と一般書の中間くらいの感じです。外国の教育に興味のある人ならば、一般の人でも十分に読みこなして参考になると思います。


世界の学校―教育制度から日常の学校風景まで

世界の学校―教育制度から日常の学校風景まで

  • 作者: 二宮 晧
  • 出版社/メーカー: 学事出版
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本



副題通り「教育制度から日常の学校風景まで」書かれているのですが、現場で長年過ごした人の体験記ではないので、どちらかと言えばシステムや政策紹介の部分が充実しています。学校風景はほとんどが初等教育です。取り上げられている国がかなり多彩で、ドイツ、フランス、フィンランド、イギリスなどおなじみの国だけでなく、韓国中国、シンガポールなど近いけれど心理的にはやや遠い国、ブラジル、ケニアなどなかなか情報が入ってこない国について並記されている点も参考になります。

とても全部は紹介できませんが、私の目を引いた部分を書いてみます。まだまだ序盤なので、時々、「これは〜」と感じたことなどブログに載せるかもしれません。

この本によれば、世界の学校を「教育課程」(教科中心か課外活動もあるのかなど)および「生徒指導体制」という二つの軸で分析したところ、次の三類型になったそうです。

1.生徒指導体制はほとんど整備されていないし、教育課程も教科中心の教育課程となっており、課外活動(特別活動)が行われていない学校・・・ドイツ、デンマーク、フランスなどのヨーロッパ大陸の学校に多く、ラテンアメリカの学校もそうである。
2.旧社会主義諸国の学校類型・・・旧ソ連や東ドイツが姿を消したいまとなっては、中国、キューバなど限られた国になってしまったのですが、社会主義思想・イデオロギー教育を組み込み、同時に労働を重視する教育課程を編成している。
3.課外活動や生徒指導体制があり、教科同様に重視されている学校・・・イギリスに誕生した学校文化であり、オーストラリア、ニュージーランド、カナダに伝播し、アメリカで成熟・発展した。戦後のアジア諸国にも輸出された。日本もここに属する。

おそらく、どのタイプが正しいとかいうものではないと思いますが、同じ学校といってもさまざまですね。


ドイツの学校は伝統的には半日制だそうです。午前7時40分から始まって4〜6限の授業をこなし12時55分には終わっています。クラブ活動も部活もなければ、運動会や文化祭もない。修学旅行も遠足もないそうです。午後は各自が、地域のクラブスポーツでサッカーなどをしたり、家庭で過ごしているそうです。

1のタイプの国では、フランスのように伝統的に家庭と公教育の役割をきっちりと分担するという考え方がベースにあるところも多いようです。

イギリス、アメリカでは「生徒指導」がさかんだそうです。イギリスではパストラルケアーという概念で総称され、教師があたかも牧師が信者に接するような気持ちと態度で生徒を指導・支援するべきで、生徒の人格教育に学校が責任を持つという考え方です。

アメリカの生徒指導はガイダンス・アンド・カウンセリングと呼ばれ、教科・科目の選択履修指導、学業指導、進路・職業ガイダンス、心理相談、教育相談など多様な指導からなっている。日本の生徒指導もこのカウンセリング理論を基礎として確立されたものである。

〜〜〜〜〜
ところが、このようなコンセプトとそれが実際にどのくらい機能しているかはまた別の話のようです。
【校内暴力にみる各国類型論】では次のようなデータがありました。
重症国(対教師暴力、器物損傷暴力、生徒間暴力のある国)━アメリカ、イギリス、日本
中症国(器物損壊暴力と生徒間暴力のある国)━ドイツ、フランス、カナダ
軽症国(生徒間暴力のある国)━多数
無症国(校内暴力のない国)━台湾

校内暴力のような問題は、その国の社会・経済状況、格差・階級社会であるかどうかなどさまざまなファクターが関係しますので単純に言い切ることはできないとは思いますが、「重症国」がどれも生徒指導体制が「整った」はずの国であるのは、何か逆説を感じます。もっとも校内暴力などが多いので生徒指導体制の強化が進んだという面もあるかもしれませんが・・・。

〜〜〜〜〜
ここからは完全に個人的な感想と好みになります。イギリスタイプの「大きな学校」もドイツタイプの「小さな学校」もそれなりに問題を抱えやすいのではないでしょうか。「学校が生徒の人格教育に責任を持つ」(イギリス)・・・私はそこまで踏み込む必要があるのか?はたして効果があるのか?考えてしまいます。

保護者の立場でいうと、学校にはそこまでは立ち入らないでほしいという気もします。わが子には、中学卒業後の進路決定などの重要なことは、家族や教師や資料や実際の見学などから集めたデータをもとに、自分の頭で考えて決めてほしいです。

課外活動などは楽しくできるものはムリのない範囲で取り入れたらいいと思いますが、厳格な生徒指導には大いに疑問です。私の好みは「大きくも小さくもない、ほどほどの学校」で、「1か3かどちらか一方を」と言われたら、1のドイツ、フランス、デンマーク(フィンランドもこちらだと思います)タイプのようです。



2009-10-17 12:07  nice!(3)  コメント(4)  トラックバック(1) 

nice! 3

コメント 4

mai

>小父蔵さん
niceどうもありがとうございます!
by mai (2009-10-19 07:00) 

hm

どれが良いかということは難しい問題でしょうが、それは別として、実に興味深い記事でした。

 私も、maiさんにタイプ的には近いだろうなあ、と思います。
 「できるだけ、ほっといて…」という気質で。
 我が儘に育ったからそうなのか、そうだから我が儘に育ったのか、わかりませんが…
by hm (2009-10-21 14:04) 

mai

hmさん
こんにちはー。コメントどうもありがとうございます。
まだ読み始めたばかりで、これからもいっぱいおもしろい記述がありそうです。見つけたら、またブログに書きますね。

hmさんも似たタイプだと思っていましたー。やっぱり自分で考えて決めたいですよね。子どももできればそういうふうに育ってほしいなあと思っています。
by mai (2009-10-28 00:20) 

mai

>RU2FTABさん、niceどうもありがとうございます!
by mai (2009-11-10 21:51) 

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